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給湯器リモコンにエラー【290】でも諦めないで!5つの原因と解決策

ガス給湯器のエラー290とはエコジョーズ特有のエラーコードです。エラー内容は「中和器詰まり」や「中和器水位異常」など、中和器回路に異常が発生していることをリモコン表示でお知らせしています。給湯、湯はり、おいだき、暖房の全ての使用において発生する可能性があるエラーです。

  • 給湯
  • ふろ
  • 暖房床暖房リモコン

対象の給湯器ですが、ノーリツ、リンナイ、パーパス、パロマのメーカー仕様だけでなく、東京ガスや大阪ガスなどのガス会社仕様でも「290」のエラーコードが設定されており、原因や対処方法は基本的に各メーカーと同様です。

筆者からはじめに一言

給湯器に中和器を初搭載した「初代エコジョーズ」から、中和器の290エラーの現場調査やモニター設置検証など、様々な事例確認や調査も専任してきました。現実的には、利用者自身で対処するのが難しい場合もありますが、点検費用を払わずに解決できる場合もあります。まずは、みなさんの修理依頼前のセルフチェックでお役に立てるようにアドバイスをしたいと思います。

まず、各主要メーカーの個別のエラー内容は次のとおりです。

NORITZ
中和器異常
Rinnai
中和器詰まり異常、中和器水位異常
Paloma
ドレン検知作動
PURPOSE
中和器詰まり、ドレンポンプ異常、他
大阪ガス 製造メーカーでエラー内容が異なる
東京ガス 製造メーカーでエラー内容が異なる

なぜエコジョーズだけ290が出るの?

290」は中和器回路のエラーコードです。従来式の給湯器には根本的に中和器が搭載されていないので発生することはありません。

では、なぜエコジョーズだけ中和器が必要なのでしょうか?それにはガス代をお得にするための構造が関係しています。

エコジョーズとは

エコジョーズとは、従来のガス給湯器と比べて熱効率が約80%から約95%へと大幅にアップしています。

  従来の給湯器 エコジョーズ
熱効率 約80% 約95%
排熱ロス 約20% 約5%

つまり、同じガス量(ガス代)を使いながら、従来式は20%が空気中へ排熱として消えていましたが、エコジョーズは排熱を再利用する仕組みで5%のロスまで低減しています。これがガス代低減に直結しているのです。

ドレンが発生する

ただ、この無駄な排熱を再利用する際に、「ドレン」と呼ばれる酸性水が発生するため、これを専用の回路で中性に中和して機器外に排出する必要が出てきます。その役割を果たすのが中和器回路というわけです。

中和器ケースには炭酸カルシウム(中和剤)がギッシリ入っています。

中和器と中和剤

中和器と中和剤(イメージ)

ドレン排水発生の仕組み

エコジョーズは、従来型の給湯器で燃焼排ガスとして捨てていた熱をリサイクルすることで、熱効率をこれまでの約80%から約90〜95%へ大幅に向上しています。その際に凝縮水(ドレン排水)が発生します。ドレン排水は通常酸性(pH3程度)ですが、中和器(炭酸カルシウムを充填)を通すことによりpH7程度の中性にして排出されます。

エコジョーズと中和器とドレン排水

出典:ドレン排水発生の仕組み(エコジョーズ化宣言)

機外へ排水する際には、専用の「ドレン配管」が工事の段階で設置されています。戸建てや集合住宅で形態は異なる場合もありますが、従来式に比べて1本配管が増えることになります。

290が出る状況

ドレンの排水量は機種や季節によって若干異なりますが、給湯使用で約60~70cc/min、暖房使用で約20~25cc/min程度であり、あわせて最大約100cc/min程度が流れます。

では、何らかの原因で回路に「詰まりが発生した」「ドレン水が排出されにくい状態になった」場合を想像してみてください。ドレン水はドレン配管~中和器内部に徐々に溜まっていきます。すると、中和器内部の電極が溜まった水(水位が上昇してきたこと)を検知して「異常な状況」と判断し、リモコンに「290」のエラーを表示してお知らせする仕組みになっています。

つまり、エラー290を解決するには、「なぜ詰まったのか?」「なぜ溜まっていくのか?」「なぜ排水されないのか?」という何らかの原因を特定することが最大のポイントになってきます。最悪の場合は「部品の故障」も考えられます。

そして、これらの何らかの原因には、大きく5つの状況が考えられます。

エラーコード 290の原因5つと対処法

まず、大手2社(ノーリツ、リンナイ)のWEBで確認できるアドバイスを整理したので見ておきましょう。

メーカー 処置 / アドバイス
ノーリツ
  • ドレン配管の先にゴミ詰まりがないかを確認する
  • ドレン配管の先が水に浸かっていないかを確認する
  • 冬季など寒いときは、ドレン配管の凍結の可能性がある(自然解凍を待つ)

⇒改善しない場合は点検・修理依頼

リンナイ
  • 給湯栓をいったん閉めて再操作して確認する

⇒改善しない場合は点検・修理依頼

上記内容で解決できれば修理は不要です。

 

状況1)雨の影響で290エラー

雨の影響で一時的に「お湯が出ない」といえば「エラーコード 111」の点火不良が圧倒的に多いのですが、実は「エラーコード 290」にも関連してきます。

これは屋外設置の給湯器に限りますが、大雨や風を伴う雨の場合は、給湯器の排気口の雨水が流入しやすくなります。そして、エコジョーズの場合、この雨水は中和器回路を通って、ドレン配管から排水される構造になっています。

雨が原因で給湯器にエラー290

ドレン配管は細い配管であるため、「ドレン水+雨水」で排水処理能力を超えてしまった場合、その分中和器回路の水位が上昇してしまいます。すると、内部の電極が検知して、雨水の増水分を「中和器詰まりによる増水」を判断し、「290」を表示する可能性があります。

筆者個人運営のガス器具サイトでも「290」エラーの動向は過去からチェックしてきましたが、雨が激しくなるほど訪問件数も増加傾向にあります。緊急でない限りは、雨がおさまるのを待ってみて、何度かエラーリセットを試してみることをおすすめします。

エラーリセットとは

給湯器の運転を全て停止し、リモコンの運転スイッチを「切」にして、再度「入」にすることで一時的にエラー表示をリセットする操作

 

状況2)ドレン配管の詰まり

ドレン配管(排水)の詰まりは、自分で対処できる場合とできない場合があります。

回路の内部(中和器や配管内)であれば、点検依頼をしてサービスマンによる対処が必要となりますが、ドレン配管の先部分であれば、利用者自身で点検することが可能です。チェックポイントは以下の内容です。

  • ドレン配管の先に異物詰まりがないかを確認する
  • ドレン配管の先が水に浸かっていないかを確認する
  • 冬季など寒いときは、ドレン配管の出口部分が凍っていないかを確認する

ドレンの配管は、側溝へ引き延ばして排出しているケース、雨水立て管へ排出しているケースなど、パターンは各ご家庭の設置環境によって様々です。配管は基本的に塩ビ管になっていると思います。(給湯器との接続部はステンレスのフレキ管の場合もあります)

以下はあくまでも一例ですが、以下のような現場もあります。(配管の出口部分には隙間が設けられています。)

エコジョーズのドレン排水(例)

ドレン配管には様々な設置形態があるので、よく分からない方は以下のサイトも参考に確認してみてください。

戸建て・集合住宅のドレン配管(設置・施工例)

 

状況3)ドレン配管の凍結

ドレン配管内で凍結することで排水が妨げられてエラーが発生する場合もあります。

原因2でも配管の先端の凍結の説明をしましたが、本格的に気温が低い場合は凍結箇所が広がる可能性もあります。ドレンは給湯器を使っている間は常に流れている状態なので凍るリスクも低いですが、使用をしていない夜中などは凍結のリスクは高まり、朝にお湯や暖房を使おうとするととエラーが出る事例は複数あります。

基本的には配管破損のリスクを避けるために「自然解凍」を推奨していますが、緊急であればリスクはゼロとは言い切れませんが、以下のような対処方法もあります。

  • ドライヤーで温める
  • ぬるま湯(30℃~40℃以下)をタオルなどの上から間接的にかける(※熱湯厳禁!)
  • 低温のカイロなどで配管を温める

 

状況4)施工不良

雨や凍結の影響もなさそうで、ドレン配管先のチェックも行っても解決しない場合は、施工不良の可能性も否定はできません。ただし、対象は「比較的使用期間が短い場合」「入居期間が浅い」場合に疑うポイントとなってきます。

ドレン配管は日本全国の様々な業者が設置施工しますが、中にはルールを守れていないことが原因でエラー290が発生している現場も複数見てきました。ドレン配管は下り勾配が基本であり、途中に配管が上がったりしていると正常に排水できない場合があります。

以下は極端な例ですが、途中にトラップが設けられた構造(配管が一度上に上がって水の流れを妨げている)はNGです。

ドレン配管の施工不良でエラー290

給湯器の配管をチェックしてみて、下り勾配になっていない場合は、施工業者に確認するほうがよいでしょう。

 

状況5)自分ではチェックできない箇所の異常

中和器内部の汚れの蓄積

給湯器や配管なども正常で、給湯器メーカーにも施工店にも非がなく、設置環境特有の外的要因で「290」が発生する事例もあります。

例えば、砂埃や黄砂が極端に多い地域では、給湯器排気口から流入して中和器内部に蓄積して、水の流れを悪くする可能性も否定できませんし、風で飛んできた異物の流入が影響する可能性も否定できません。

仮にこのような事例の場合は、中和器の掃除や部品交換で対応することになります。

部品故障

中和器の水位電極の異常、コネクタや配線の異常、電装基板の異常など、部品交換や手直しが必要な場合もあります。

 

情報収集されている方へのアドバイス

エラー290を何度も経験しているサービスマンであれば、給湯器の内部をチェックすれば原因特定は早いでしょう。ですが、利用者自身で確認できるのは、給湯器の前板を開けずにできる上記の1~4の項目になります。

稀に個人ブログなどで給湯器の前板を開けてのエラー対処方法などが紹介されていることもありますが、前板は開けないようにしてください。修理代がもったいないので何とか自分で解決したいという気持ちはわかりますが、開けた時点で完全に自己責任という形になります。

取扱説明書の禁止事項をチェックしておくことをおすすめします。

特にエコジョーズは、給湯器の中身が部品や配線でギッシリと詰まっているので、仮に素人が前板を興味本位で開けた場合、飛び出てきた配線を挟み込まないように前板を閉め直すだけでもかなり大変です。

エコジョーズ内部

エコジョーズ内部(例)

もし挟み込んで配線に傷つくと他の故障にもつながって修理箇所も修理代も膨れ上がります。当然分解などは絶対に禁止です。禁止事項をしてしまうと、保証期間内であっても全て自己責任の有償修理になると思うので注意してください。機器内部はプロに任せるのが一番です。

 

給湯器の修理前にご確認ください

修理前のチェック項目

詳細はこちら

知っておきたい豆知識をまとめています!

よく検索されるワード

最後に繰り返しになりますが、少なくとも雨が強い日や凍結する寒い時期は、一時的な「290」の場合も多いです。もしも、自分だけでセルフチェックが不安であれば、各メーカーのコールセンターに電話をして、アドバイスをもらいながら自己診断してみることをおすすめします。

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千田 哲耶(TETSUYA SENDA)

職種/所属:ガス機器/住宅設備アドバイザー、WEBライター/編集者/デザイナー、LITH編集長、ケアラ・ジャパン代表

専門分野:キッチン/浴室設備、ガス器具全般(給湯器/ガスコンロ/浴室乾燥機など)、燃料電池、エネルギー(電気/ガス)、IOT、住宅設備マーケティング


大手ガス器具メーカーに13年間在籍し、本社・営業・開発・品質・工場・関連会社を含む「商品に関わる全部門」の技術統括窓口、さらにはアフターサービス(修理/点検/サービスマン教育/コールセンター)部門の技術アドバイザー、ショールームアドバイザーまで経験してきた商品知識と技術/現場のスペシャリスト。
大手都市ガス会社やキッチンメーカーなどのOEM開発にも携わる他、電気/ガスの自由化にも深く関わるなど、住宅設備~エネルギー業界にも精通しており、現在は独立して商品や業界マーケテイングにも力を入れている。
メーカー/ガス会社/キッチンメーカー仕様も含め、2018年までの技術問い合わせ対応件数は、約30,000件以上となる。


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